【レビュー】グノーシア

ゲームレビュー

ループ物に必要なのは驚きの真相ではなく、繰り返しても飽きない魅力的なキャラクターなのかもしれません。

人狼をベースにしたSFアドベンチャー「グノーシア」を遊んだ感想です。

あらすじ

困難を乗り越えて、星の世界へ。

グノーシアは嘘をつく。人間のふりをして近づき、だまし、そして身近な人間を一人ずつ、この宇宙から葬り去る――。

漂流する宇宙船内にて、人間を襲う未知の敵「グノーシア」に直面した乗員達は、誰が敵なのか分からない状況でこの危機を収束させるために、一つの解決策を試みる。最も疑わしい人物から一人ずつコールドスリープさせ、船内に紛れ込んだ全てのグノーシアを活動停止させるのだ。

しかし、その人物が本当にグノーシアだったのか、あるいはスケープゴートにされた哀れな人間だったのか、知ることは難しい。最後に笑うのは人間なのか、それとも――?

引用元:http://d-mebius.com/gnosias/

ゲームの流れ

1人で遊べる人狼。基本的なルールは人狼を踏襲しており、人間とグノーシアの陣営に分かれてそれぞれの勝利条件である”グノーシアをすべてコールドスリープさせる”、”グノーシアの人数が総乗員数の過半数を上回る”の達成を目指します。

  1. 議論(5ラウンド)
  2. 投票
  3. 自由行動
  4. 就寝

議論(5ラウンド)

議論
とりあえずラキオ吊っとく?になりがち。

初日はとっかかりがなさすぎて好き嫌いで犠牲者が決まってしまうことも。。それを避けるための重要な要素として「役割」があります。

役割
自分が人間で夕里子に白判定出された時の安心感。

役割は乗員(村人)、留守番(共犯者)、エンジニア(占い師)、ドクター(霊媒師)、守護天使(狩人)、グノーシア(人狼)、AC主義者(狂人)、バグ(狐)とかなり数が多いですが、役割は少しずつ開放されその都度チュートリアルがあるので、人狼を知らない人でも問題ありません。

投票

投票
1日目は人間確定である留守番以外誰も信用できない。

最も票を集めたキャラクターがコールドスリープされ退場。この時点ではグノーシアだったかは分かりませんが、誰が誰に投票したかは2日目以降とても重要になります。

自由行動

各イベントの発生や他キャラクターとの親交を深めたり協力を仰いだりできます。そしてこのゲーム固有のシステムとしてパラメータの割り振りが可能です。

パラメータ
何とも平坦な振り方になってしまいました。

カリスマは自身の発言に対する同調、直感は他者の発言の嘘を見破りやすくなる、ロジックは論理性、かわいげは投票されにくくなる、演技力は自身の嘘がバレにくくなる、ステルスはグノーシアに襲われにくくなる。グノーシアやAC主義者になった場合は演技力、守護天使ではステルスと役割毎に求められるパラメータが変わってきます。

他キャラクターのパラメータはジナを除いて固定です。

シピ
バランスがよく人当たりもいいシピは、人間でもグノーシアでも態度が変わらないため手強い。
夕里子
圧倒的な能力に高いカリスマを持つ夕里子。一人でゲームを支配してしまうこともしばしば。

就寝

エンジニアの識別、守護天使の対象、グノーシアの襲撃対象の選択がこの時間に行われます。

消滅
グノーシアの襲撃、バグがエンジニアに識別されて2人同時に消滅もあります。
ゲーム結果
沙明グノーシア説を主張した挙げ句、皆を説得できなかったのに勝ってしまう迷探偵留守番。。

これがどちらかの勝利条件を満たすまで続きます。プレイヤーがコールドスリープ又はグノーシアに消滅させられてしまうとプレイ終了なので、人狼をやっている人は戸惑うかもしれません。これはゲーム性よりストーリー性を取ったためだと思われます。あくまで主人公の主観で話は進んでいき、第三者視点やいわゆる神の視点はありません。

船内のグノーシアの排除、逆にグノーシアが乗員数を上回った時にこの物語は終わるはずでしたが、何故か時間が巻き戻り1日目へと戻されます。そのループ現象を認識しているのは主人公とセツのみ。

1プレイ15分ほどでテンポよく遊べるのがいいですね。私はアドベンチャーゲームや日本アニメ特有の日常回がとても苦手です。キャラクターの深掘りや後々のカタルシスのために必要だとは分かっていても、とにかく退屈で寝落ちしちゃいます。また、このゲームに関してはボイスがなくてよかったです。ついていたら私は最後までプレイすることはなかったでしょう。

キャラクター

型にはまらない、とっつきにくいが徐々に惹かれていく魅力的なキャラクターたち。自己形成はとっくに終えており幼くはないのだけど、どこか青臭いところがいいですね。

しげみち
見た目通りのポンコツぶりを発揮するしげみち。役割に就いた時が本当に酷い。
しげみち
でも、なんか憎めない。
ククルシカ
見た目は美少女。一度嫌った相手は陣営関係なく噛みつくククルシカ。
オトメ
ただただ優しいオトメ。でもAC主義者の時はその優しさが牙を剥く。
シピ
イケメンで性格もいいシピ。だが実は……。
ジナ
他の華やかな女性陣に比べるとどうしても地味なジナですが、芯の強さが垣間見えます。
SQ
何度騙されたか分からないSQちゃん。
SQ
自他ともに認める嘘つきな彼女が、ふと見せる寂しさにころり。
セツ
ループを共有しながらも、常に振り回されていたセツ。

夕里子

夕里子
夕里子。

私はこの作品の中で1番夕里子が好きです。高い能力に加えて名前の後ろに思わず「様」をつけたくなるほど、溢れるカリスマ性を持っています。彼女の出自を思えば、諦観に囚われたり、自罰的、厭世的になってもおかしくないところですが、夕里子は全方位に毒を吐き、敵を作りまくります。自ら命を断つことや誰かが都合よく殺して終わりにしてくれるといった願望も一切ないのでしょう。気高さが最大の魅力。

夕里子
このセリフも100%本心でしょうが、関心は抱いてくれているのかも?
ジナ
イベントをこなすと少しずつ明らかになってくるキャラクター像。

根幹部分だけを始めに決めて、少しずつ丁寧に肉付けしていったのでしょうか。14人すべて魅力的で不快なキャラが1人も居ませんでした。

そんな魅力的なキャラクターたちと疑心暗鬼になりながら物語はエンディングへと向かっていきます。グノーシアとは?電脳化とは?ループの原因とは?

そして収束へ

キャラクター造形が素晴らしい本作ですが、ループ物らしく散りばめられた伏線を回収し心地よい疾走感で収束。

エンディング
エンディング。
セツ
カーテンコール
そして大団円のカーテンコール。

いい作品でした。主人公(プレイヤー)に細かい人格や設定を付けてしまうと感動が薄れると思うので、この物語をアニメや読み物ではなくインタラクティブなゲームで味わえてよかった。

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