グインサーガ断念、残念

79巻『ルアーの角笛』まで読みました……悩みましたがグインサーガはここで読むのを止めることにしました。
理由としては大きく2つで『中途半端さ』、『主要キャラクターの変化』

中途半端

75巻の『大導師アグリッパ』の巻でほとんどの謎が明かされたわけですが、うーんとなってしまいました。。
上手くまとめられないので若干箇条書きっぽくなりますが。
・グインの正体はヤンダルゾックを阻止するために超越者が送り込んだ超戦士(恐らくグイン自身も超越者)
・調整者:宇宙の黄金率の均衡を保つ精神生命体
・超越者:調整者の実行部隊
唐突に話が宇宙規模になりました。。おおまかな流れとしては、
3000年前:超越者とヤンダルゾックの祖先の間で起きた宇宙戦争で宇宙船が落下しカナン王国が一夜で滅ぶ。放射能をまき散らしノスフェラスに。
ヤンダルゾックの祖先はコールドスリープで生きながらえて原住民と交配した。宇宙船やその他の超技術に関する知識は上手く子孫に伝わらず喪失してしまう。
ヤンダルゾックはキタイを占拠し新首都を建設、パロの古代機械とグインの無限のパワーを利用して故郷とこの世界を繋ぐために行動している。その際、魔界(異界?)と繋がり宇宙の黄金率が乱れる可能性があるため、それを阻止するべく送り込まれたのがグイン。
ノスフェラスの中心グル・ヌーにある巨大宇宙船の扉を開くためには2つの鍵と宇宙船を操作するために古代機械の操作知識が必要。物理的な鍵はグインがノスフェラスで拾ったアウラの鍵。パスワードはロカンドラスからスカールに伝えられた。機械操作に関する知識は代々パロに一時代に一人だけ伝えられて、現在はアルド・ナリスのみ知っている。
ノスフェラスの宇宙船の奥に居る赤ん坊はカナンの無念が産んだ超越者の卵(?)が成長したもの。育て方によって善にも悪にもなる。宇宙船の以外にも序盤でグイン、イシュトヴァーン、パロの双子が漂流した島で見た赤ん坊もその一つ。さらに一つの種子はカル=モル経由でレムスによってノスフェラスから運ばれてレムスとアルミナの子供に移された。
ヤンダルゾックが扱う黒魔道は人間の恨みや妬みといった負の感情がパワーの源になる。中原中を戦乱に巻き込み、負の感情を撒き散らすため、そしておそらくはケイロニアの国力低下を狙って白羽の矢が立てられたのがイシュトヴァーン。
今後の流れ(推測)
パロでアルド・ナリスを追い詰めつつ、クリスタルシティを内部からじわじわ変革させキタイの新首都と直結させ中原侵略の足がかりにする。パロはイシュトヴァーンのゴーラに表面上占拠されアルド・ナリスは捕らわれる。ゴーラ(イシュトヴァーン) VS ケイロニア(グイン)間で大戦争になるもケイロニアが勝利。イシュトヴァーンは死亡。グインはそのままキタイの反乱軍と呼応してキタイからヤンダルゾックを追い出す。
グイン、スカール、ナリスがイェライシャの力を借りて宇宙船へ。
軍を失ったヤンダルゾックもやってくるもグインに返り討ち。スカール、ナリス死亡でグインが宇宙船で故郷に帰って終わりといった感じになるんじゃないかと。
調整者やら超越者が出てきたことにより巨視的に見ると中原の争いはどうでもいいことに。。(一応ヤンダルゾックの企みで魔界と繋がると宇宙の黄金率が~みたいなフォローもありますが)調整者や超越者のような概念はSF物にはよくある設定ですし、そんなもの出すならこの惑星の話は20巻くらいで終わらして惑星毎に話を進めないとって思っちゃいます。
SF物としても、群雄劇としても、ヒロイックファンタジーとしてもどれもこれも中途半端に感じてしまいますね~。

主要キャラクターの変化

私も大人になったし『時間の経過、状況が変われば人の考え方も変わる』というのはよく分かるし最近実感していることでもあります、ありますがキャラの変化酷くない?
イシュトヴァーン
序盤から軽薄で自分の命優先で裏切りに近いこともやったりしてたけど、一度は見捨てたリンダを自分の命を顧みずに助けるために戻ってきたりと本当は情に厚いところがあったのですが。。
ユラニアでユラニア、クムの王族を大虐殺 → クムのタリオを戦場で撃っといてタリク公子を『救出』扱いでクムと和睦 → 本当はそんなことやりたくなかった、アリストースと組んでいたタルーとネリィが悪いンゴ! タルーとネリィ許せないンゴ! ネリィを戦場で撃ちユラニア滅亡 → イシュトヴァーンに心酔しており、そのために手段を選ばず汚いことを一手に引き受けていたアリストースを処刑 → みんな、アリストースが悪かったンゴ! → 自分で焼き払ったけどユラニアをゴーラとして復活させるンゴ! → アムネリスが自分の子供を妊娠、モンゴールはゴーラの領地ンゴ! → 旧モンゴールの幹部大反対? じゃあ、虐殺するンゴ! → アムネリスどうでもいいンゴ、子供居なかったら叩き斬りたいンゴ → ナリスさまを支援してパロと同盟結ぶンゴ → パロの内乱発生、ナリスさま支援するフリしてパロ乗っ取るンゴ!
う、うーんこの畜生。。
もう誰だよこれってレベルですね。。ヴァラキアを出奔してまで自分の元に来てくれたカメロンさえ疑い始めて典型的な独裁者の末期的症状です。。(権力の頂点に立った途端、疑心暗鬼が強くなり誰も信じられなくなるアレ)いちいち作者の『イシュトヴァーンの不幸な生い立ちを考えると~』みたいなフォローが入るのがさらにきつい。あ、でもイシュトヴァーンが非道なんじゃなくアリストースが非道なんだよ → イシュトヴァーンがアリストース以上に非道だったって流れは好きですね。外伝なんかでゴーラの残虐王という呼び名が出ていたし畜生化は予定通りなんでしょうね。ただ、それが魅力的とは限らないわけで。。
そしてアルド・ナリス。。
この世界のすべての謎を解き明かしたい! 自分の好奇心、知識欲を満たすことが1番の目的でそれ以外のことにはあまり関心がなくある意味純粋で、そのためなら手段を選ばない冷徹な陰謀家。でも、表面上はまったくそれを悟らせずにこやかにパロのために尽力しているところがすっごく魅力的だったんですが。。
最近の描写は
『自分のために命をかけてくれる身内が死んでいくことが耐えられない心の弱い姫さま(30男)』
……え? ( ゚д゚)ポカーン
えーと、そんな姫さまがこれまでに行ってきたことを顧みてみましょう。
・自分の乳兄妹の女性聖騎士をモンゴールのパロ占領指揮官に送り込み、モンゴールを裏切らせる。使い終わったらポーイと殺す。
・アムネリスに愛を囁きつつ偽装結婚、擬死して盛大に裏切る。ついでにアストリアスの純情も利用して手駒に加える。
・敵国とはいえ14歳の少年王子を自分の弟(マリウス)に暗殺させようとする。結局部下の魔導師が暗殺。
・パロの学生たちがナリスを国王にするべく半レムスを掲げ市庁舎占拠。魔導師にナリス派の職員ごと皆殺しにさせた挙句、火をかけ証拠隠滅。
・それを理由に学生街は過激派の集まりとし大弾圧を行い。後々利用できそうな者以外はほとんど処刑。しかも、それをヴァレリウスに実行させる。
う、うーんこの畜生。。
こんなことしといて今更、身内を失うことに耐えられないとか言われても。。もはや自分一人では日常生活さえままならない体になってしまったことで考え方が変わったということはありますが、だからといって過去に行ってきたことが許されるわけはないですし、ぶっちゃけこれらの所業を反省している描写すらないですからね。
リンダは空気だし、レムスは自我が残ってなさそうだし、初期から変わってないキャラってグインとスカールくらいしか居ないような。群雄劇としては主要キャラを目立たさせるためなのか、他に出てくるキャラを初登場時に長々と説明する割に2度目の登場以降は小物化していきあっさり退場していくという流れが多いです。下手すればヤンダルゾックすら小物化しそうな勢い。ヤンダルゾックも無意識に他の者に操られているような描写もありますしね。
そんな訳で私がグインサーガを好きでいられるのはここまでで、これ以上読み進んでいくと大嫌いになりそうなのでここで断念、挫折です。グインサーガは序盤がピークだという意見をよく聞きますが私も同意見。アニメ化されたパロ奪還までがピーク。
序盤を振り返るとつくづく惜しい。
『記憶を失った豹頭の超戦士』、『無謀な野望に満ちた陽気な傭兵』、『預言者の傾国の王女』、『その双子で内気だけど聡明な王子』、『絶世の美貌と探究心がすべての冷酷な陰謀家の大公』、『豪快で自由な皇太子』、『沈着冷静ながらもユーモアに溢れる外交官提督』、『国を捨てた自由に憧れる元王家の吟遊詩人』、『復讐に囚われた男装の麗人』
どうしてこうなった。。

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