Skyrim16~神様のヒマ潰し~

Skyrim

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セシリー『今日はすごい満月だね』
バルバス『ああ、見事なものだな』
こんな夜は決まって思い出す、今は人里離れて隠れて暮らす彼のことを・・・
初めて彼に会ったのはファルクリースの地下牢、牢に入れられて無理もないけどひどく自虐的な笑い方をする男だった。
シンディング『化物を見物しにきたのか?』
セシリー『化物?あなたは普通の人間に見えるけど、なんで投獄されてるの?』
シンディング『ある少女を殺してしまってね・・・』
セシリー『それはなんとも』
シンディング『信じてもらえないと思うが、俺は必死に抑えたんだ。でも、どんどんその力は大きくなって』
セシリー『罪を犯した人はみんなそう言うよね』
シンディング『俺は違う!』
セシリー『そう言われても・・・というかセシはあなたを責めにきたわけじゃなくて』
シンディング『抑えられず、遂に変身してしまったんだ』
セシリー『変身?』
シンディング『どうせ処刑を待つ身だ、秘密にしておいても仕方ない』
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オオカミ男、ライカンスロープス、色々呼び名はあるけどあの伝説の?ここスカイリムでの呼び名はそう
セシリー『ウェアウルフ?』
シンディング『そうだ』
信じられない、たくさんの物語に描かれ何人もの学者が生涯をかけて解明しようとしたウェアウルフが今セシの目の前に居る。
セシリー『えっと、あの、その』
シンディング『戸惑うのも無理はない。俺はこの力にずっと悩んできた。そして変身をコントロールできるというハーシーンの指輪の噂を聞き、この土地にやってきた』
セシリー『ハーシーンというと、えーと狩猟を司るデイドラの王だっけ』
シンディング『そう、オオカミに変身する力を人間に与えたのも彼だ』
セシリー『え、でも変身をコントロールできるならなんで少女を』
シンディング『そう、かつてはたしかにその力があった。だが、指輪にはハーシーンの呪いがかけられていた。コントロールどころか変身を誘発させる呪いがね』
セシリー『それで少女を』
シンディング『ああ、見たところ君は冒険者のようだハーシーンにこの指輪を返してきてくれないか?』
セシリー『うーん、まあ興味もありますし構わないですけど、どこに行けば会えるんですか?』
シンディング『この土地にいる巨大な獣を倒せばハーシーンは喜び姿を表す。俺はずっと森でその獣を探していたが、そこであの少女に出会ってしまった』
セシリー『分かりました』
シンディング『じゃあ、これがその指輪だ』
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バルバス『また、面倒な事に首を突っ込んだな』
セシリー『いや、だって伝説のウェアウルフに狩猟の神ハーシーンだよ!引き受けるしかないでしょ』
バルバス『どうなっても知らんぞ』
セシリー『しかし、キレイな指輪だね。これをはめたらセシもウェアウルフに変身できたりして。どう、似合う?』
バルバス『あーあ。ハイハイ、似合う、似合う』
セシリー『変身!・・・なーんてね。やっぱり駄目か、じゃあこの指輪を返しにって外れない!』
バルバス『・・・』
セシリー『何これ指輪が外れないんだけどー!?』
バルバス『呪いの指輪だからな』
セシリー『バルバス知ってたの?なんで教えてくれなかったのさ!』
バルバス『どこかのネコさまは人の話を聞かないからな』
セシリー『わーどうしよー』
バルバス『落ち着け、どちらにせよハーシーンに会わねばならんのだろう』
セシリー『うー、えっと巨大な獣を倒すんだっけ。それってやっぱり』
バルバス『間違いなくドラゴンだろうな』
ファルクリースを襲ったドラゴンを倒した夜・・・は、酔っ払って気がついたらマルカルスだったので次の日の夜。。
森の中で不思議な1匹の鹿と出会った。
セシリー『ハーシーン?』
ハーシーン『いかにも、よくやったぞネコよ。お前があの獣を倒すところは一部始終拝見させてもらった見事』
セシリー『あー、うん。じゃあご褒美にこの指輪の呪い解いてくれないかな』
ハーシーン『我の願いを叶えてくれたらな』
セシリー『はー、やっぱり。それで何をすればいいの?』
ハーシーン『その指輪を盗んだ男は今、やつが聖域と呼んでいる場所に隠れている。そこへ行ってやつを殺して皮を剥ぎ持って来い』
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なんという悪趣味な。スカイリムの神様はろくなのが居ないね。というかシンディング、ドラゴンの襲撃に紛れて脱獄してたのね。
セシリー『えーっと断ったら?』
ハーシーン『狩人はお前の他にも居る、グズグズしていると他の者が彼を倒すだろうな』
セシリー『うーもう、場所はどこ?』
ハーシーン『ブローデッドマンの洞窟だ』
Blooded Manとはまた皮肉な名前つけるもんだ、本当に性格悪いなー。
洞窟に入ると赤い月の下、彼は崖に立っていた。
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シンディング『当然だろうな・・・無理を承知で言うが文明社会には2度と戻らないと誓うだから見逃して欲しい』
セシリー『いいよ』
シンディング『ずいぶんあっさり答えるんだな、いいのか?』
セシリー『ハーシーンの思惑に乗るのは面白くないし、セシには憧れのウェアウルフは殺せないよ』
シンディング『ありがとう、恩に着る。じゃあ、他の狩人たちを片付けてしまおう。共に奴らを狩るんだ』
セシリー『( ´゚д゚`)エー』
バルバス『何を驚く、彼を助けるとはそういうことだ』
セシリー『いや、でも』
バルバス『無知が罪だとは言わんが、浅慮は間違いなく罪だ。だからいつも考えて行動しろと』
セシリー『分かってるよ、セシも冒険者だし。狩人の人たちだってその覚悟はあるでしょ』
バルバス『それでいい』
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人の力を超えた、圧倒的なオオカミの力で狩人たちをなぎ払っていくシンディング。
セシリー『あれ、これセシいらないんじゃ』
バルバス『数が多い、サボるな!』
セシリー『ほーい』
10数人の狩人を打ち倒し、ようやく一息つけた。
狩人たちの持ち物を見てみたけど、指輪はなかった。セシのように脅されてではなくハーシーンの信奉者なのだろう。
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シンディング『すまないな、結局その指輪を外すことができなくなってしまった』
セシリー『大丈夫だよ、デザインは気に入ってるし。ほら、セシによく似合ってるでしょ?』
シンディング『ハハハ、確かに』
セシリー『じゃあ、なんというか元気でね』
シンディング『ああ、ありがとう』
セシリー『はー、ああは言ったもののエンチャントした指輪したいのよね』
バルバス『見栄っ張りめ』
セシリー『ネコだしねー』
バルバス『まあ、そのうち呪いの効力もきれるんじゃないのか』
セシリー『そんないい加減な。セシがセッケンや油で滑りやすくしても全然取れなかったんだし、ほら今だって・・・あれ、外れた。外れたー!』
バルバス『は?』
セシリー『なんか分からないけど外れた、キャッホーイ♪』
バルバス『何が何やら、やれやれ。で、その指輪どうするんだ』
セシリー『こんなもの、こうだ!』
思いっきり投げられた指輪は滝壺に落ち、見えなくなってしまった。
バルバス『危ないなー、誰かが拾ったらどうするんだ?』
セシリー『その時はきっと滅びの山に持って行って溶かしてくれるさ』
バルバス『は?』
セシリー『あーすっきりした』
一件落着・・・と思いきや洞窟の外に出るとハーシーンが待っていた。
セシリー『あーえっと・・・卑劣な行為には加担しないよ!』
ハーシーン『なんとでも言うがいい。言ったはずだ、我が望むは復讐ではなく生きている者を狩って血の追跡をする事だ』
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ハーシーン『十分楽しませてもらったぞ、これからは我の加護を受けて生きるがいい』
セシリー『( ゚д゚)ポカーン』
言いたいことを言ってハーシーンは去っていった。セシの手の中には
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新たな指輪が在った。
セシリー『結局ハーシーンの手のひらの上か』
バルバス『見事に踊っていたな』
セシリー『あ、バルバス全部わかってたの!?』
バルバス『無論だ』
セシリー『( ゚皿゚)キーッ!!』
すべては退屈を弄ぶ神様のヒマ潰し、ずいぶん悪趣味なヒマ潰し。。
セシリー『あー元気かなー』
バルバス『ん?』
セシリー『何でもない、独り言ー』
彼は今もあの洞窟で暮らしているのだろうか?月明かりに照らされて。

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