【感想】THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから

海外ドラマレビュー

海外ドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」のシーズン1の感想です。

あなたが今抱えている問題がとても大きなものだとしても、それは人生の中で数ある問題の一つに過ぎないかもしれません。

※脚本が素晴らしく非常に評価は高いのですが、ヒューマンドラマ自体をあまり見ないせいもあるかもしれません。

概要

三つ子として育てられた兄弟たちが36歳になり、それぞれ大きな問題にぶつかり、それまでとは違う選択肢を迫られ、お互いあるいは周囲の人々、両親の教えに助けられながら人生を歩んでいくお話。

【公式サイト】
20世紀スタジオ

話の構成

このドラマの特徴的な部分は、1話の中で36歳現在と子供時代の過去が同時に描かれるところ。場面転換、情報量が多いので2話くらいまで集中して見ないと把握できないかもしれません。

子供時代
子供時代の過去。子役も素晴らしい。
ケヴィンとランダル
36歳のケヴィンとランダル。この距離感で二人の関係性を察してしまいますね。

オーディオコメンタリー

オーディオコメンタリー
世界一の洗濯機(各話のサブタイトルがいちいち素敵)

視聴者が混乱しないようにという配慮なのか、各話の本編の後にオーディオコメンタリーが入っており、脚本家、俳優たちが解説、感想を語ってくれます。個人的に何周年記念とかでもない限りオーディオコメンタリーは好きではない。ドラマに出ている間は俳優ではなく登場人物であってほしいからです。そんな私が眉をひそめながらこのオーディオコメンタリーを見ていたのですが……この作品に限ってはあってよかったと思いました。

単純な解説だけではなく、俳優のキャラやシナリオに対する解釈を聞くことができます。俳優さんはみんなそうなのかもしれませんがとても理解度が高く、質の高い脚本をさらに昇華しています。100点が120点になる感じです。想像の余地を残す程度に伏線やメタファー(暗喩)も語ってくれ、次回以降の話がとても楽しみになりました。

登場人物

※アイキャッチで力尽きてしまったので使い回し&主要キャストのみです。
ケヴィン

ケヴィン

双子の長男。思い切った行動の後に落ち込むの早すぎ。俳優業のせいなのか大人になりきれないところもあるが、もっと歳をとれば1番父親のジャックのようになるのでは?と思わせます。

日本語吹き替え版では高橋一生さんが声を当てています。ともすれば棒読みに聞こえかねない彼の声質ですが、実写ドラマも含めて笑えない冗談を言わせた時は右に出る者はいないですよね。

ケイト

双子の長女。太っていることに大きなコンプレックスを感じている。いつも痩せるため努力をしているが結果に結びつかない。ケヴィンのマネージャーをしていたが、共依存に陥っていることに気が付き、ケヴィンの主演ドラマ降板に合わせて別の道を歩む。

トラウマを抱えており、肥満はそちらと向き合わないためのいい口実になっている節がある。

ランダル

ランダル

双子が産まれた同じ日に捨てられたが、死産してしまった三つ子の代わりとして育てられる。知性的で常に完璧であろうとする。3人の中では唯一家庭を持っており、会社では重役に就いている。

育ててくれた両親にはとても感謝しているが、いつも本当の両親を探していた。そしてついに実父を探し出す。戸惑いながらも尚も完璧であろうとするが……。

ジャック&レベッカ

ジャック&レベッカ

3人の両親。恋人、夫婦、親になってからの過程が描かれる。家庭への価値観の違いや、子どもたちの中で一人だけ違うランダルの扱い、ケイトの肥満、ケヴィンの不満等など、多すぎる課題を前に何度もぶつかり合いながらも、きちんと話し合い乗り越えていくが小さな不満は蓄積していきすれ違っていく。

同じ方向を向いていることは間違いないのですが、ジャックは恐れ、レベッカは秘密をそれぞれ抱えていて、なおかつ子供たちを最優先に考えており、ふとした瞬間に疲れを感じてしまうのでしょう。

主要キャストの紹介だけで、様々な問題があることが垣間見えたと思います。

秀逸なシナリオ

物語の序盤で過去と未来において、その先に待つ2つの大きな離別が示されます。全体として日常を描いており、起承転結といった分かりやすいシナリオではないため、いざ離別のシーンが来ても期待はずれの肩透かしになるのでは?とちょっと心配していました。

シーズン1では、そのうちの1つが描かれますが……心配は杞憂に終わりました。お見事でした。

お気に入りのシーン

感想日記なのに何を言っているんだと思われそうですが、私の文字で伝えるより実際に観てほしいので画像をペタペタと貼って終わりにしたいと思います。

観終わった人が、「ああ、このシーンね。」ニヤリとしてもらえれば幸いです。

ドクターK
ドクターK。酸っぱいレモン。
ケヴィンとケイト
ケヴィンとケイト。物語が始まってすぐに別の道を歩むことになった後も、二人の遠慮のない会話は変わりません。
ウィリアムとケヴィン
かしこいフクロウ(ウィリアム)とすぐ悩む間抜けなラブラドール(ケヴィン)。
ケヴィン&ランダル
ケヴィンとランダル。ランダルの歯車は狂いっぱなしです。
感謝祭
せっかくの感謝祭がトラブル続きで、がっかりする子どもたち&レベッカ。
ジャック
常に誰よりも早く立ち直り、正しい選択、そして楽しい出来事に変えてくれるジャック。理想の男であり父親ですね。
ランダル&ウィリアム
知性的で完璧なランダルも、ウィリアムの前では戸惑ってばかりです。
ジャック&レベッカ
基本的に1話完結なのですが、時には……。
ジャック&レベッカ
長い伏線回収もあります。
ジャック
何が起こってもジャックなら楽しく解決してくれる!……と思っちゃいますよね。

以上、THIS IS USシーズン1の感想でした。話し合うって大切ですね。そして大きな問題だとしても、それは数ある問題の一つに過ぎないのでしょう。

THIS IS USはシーズン6で2022年に完結したそうですが、私は基本的に海外ドラマはシーズン1しか見ないと決めているので視聴予定はありません。ありませんが、シーズン1のこの見事なシナリオなら最後までグダらないのではないかと思います。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。