これがギャップ萌えという奴か?

雑記

たまには頭空っぽにしてキャッキャウフフな漫画でも読もうと2作品ほど読みました。

まんまんちゃん、あん。(きづき あきら&サトウナンキ:幻冬舎コミックス:全3巻)

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一瞬ドキッとするタイトルですが、えっちぃ漫画ではありません(;´∀`)
まんまんちゃんは『南無阿弥陀仏』の関西弁幼児語だそうで、『あん』は同じく幼児語であっ、よろしくお願いしますという意味だそうです。
ストーリー
子沢山貧乏高校生の『めぐり』は寺の跡取り息子『信玄』と結婚する。
年の離れた夫、お寺独特の生活に戸惑いを見せることなくめぐりは『笑顔』で日々を過ごしていた。しかし、新婚早々夫の信玄はあっさり事故で亡くなってしまう。
それでも『笑顔』で明るく振る舞うめぐりに対し、お寺の人々は信玄の弟『一円(いちえん)』、外から招いた僧『慈恩(じおん』を次の夫候補(跡取り)として話を持ちかける。この提案に対しめぐりは寺に残れるならと『笑顔』で受け入れるのだったー。
感想
お寺そのものではなくお寺の跡継ぎ問題を題材にした漫画。
『尼ではない女の人は跡取りの母親ではない限り、寺を出なくてはいけない』これが本当のことなのか分からないけど、すごい話である。えっちぃ描写はないもののあまり直接的ではないがドロドロの愛憎劇が描かれていて読んでいて胸が苦しくなりました。
キーポイント『笑顔』
明るく振る舞うめぐり、いつも笑顔な彼女ですがそれは作り笑いなんだという描写でもう(´;ω;`)ブワッ
最終巻でめぐりと信玄のすれ違いっぷりでさらに(´;ω;`)ブワッ 最後は一応ハッピーエンドなんですかね?一円はあまり好きになれないキャラでしたがめぐりを幸せにしてあげてほしい。

メイド諸君!(きづき あきら&サトウナンキ:ワニブックス:全4巻)

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同じ作者の作品、メイド物なら今度こそキャッキャウフフな展開だろうと思ったんですが……。
ストーリー
舞台は東京のメイド喫茶。上京してきた女子大生『藤堂 千代子』はひょんな事からメイド喫茶『ミルフィーユ』で『チョコ』として働くことになる。個性豊かな他の店員たちと段々と打ち解けながら天然ボケな千代子は徐々にメイドらしくなっていく。
常連客の鳥取に恋をした千代子はオタクで奥手な鳥取に振り向いてというか向き合って欲しいと、あれこれ努力するが鳥取は千代子の想像以上に手強い相手なのだったー。
感想
2巻くらいまでの微笑ましい雰囲気は、後半2巻で消し飛び女性同士特有のギスギス感や、もうダメダメっぷりをこれでもかと発揮する鳥取が主役と言っていいと思う。『メイド喫茶はお金で女の子と話す時間を買うところ』とか『自分の商品価値の自信の無さを体で補おうってのは最悪だぞ』とかバッサリ言っちゃうのが面白いというか恐ろしい。
キーポイント『自己愛』
登場人物は多いけど個人的に気になったのは以下の3人
主人公?の チョコ(藤堂 千代子)
前半の天然ボケなキャラクターはどこへ?後半は20代後半というか酸いも甘いも噛み分けた感じに。まあ、これは変わったというより最初から最後まで彼女は『お姉ちゃん』だったのだろう。。
キツイ言動の あるみ(野口 歩)
首のアクセサリを妹からのお守りと説明するチョコに対し、『私は私物を外せと言う話をしたのに、何故これはまぎれもなく私物ですと証明する話で返事する?それもダラダラと』みたいなキツイ一言でバッサリ言っていたあるみですが、後半では非常に弱々しく大人な千代子との立場は完全に逆転。うん、依存症よね。カワイイのに。
オタクで奥手で対人恐怖症っぽい 鳥取 大介
女の子と付き合ったことがなくひたすら脳内シュミレーションをした挙句、現実のズレに対処できず勝手に怒る、落ち込むダメダメ男。救いようがないのが
『どうすれば普通の女の子であるあなたが喜ぶか必死になって後悔と起こってない失敗の心配で地獄のように苦しむのが目に見えます
そのくせ嫌われたくなくていつか捨てられる日に怯えて暮らすでしょう 自分がみじめで嫌いになる一方だ
失うのがこわすぎる幸せなんて想像しただけでぐったりします』
こんなことを相手である千代子に言っちゃうんです( ゚д゚)ポカーン
作中でも言われてましたがあるみも鳥取も『鏡のように相手を通して自分を見ている』自分が大好きではないんだけど、自分が傷つかないように傷つかないようにと、自分のことばかりで全然相手のことを考えてないんですよね。
中学生か!とツッコミ入れたくなるところですが、頭の痛いことに私もぶっちゃけそういう人なので、この辺はグサグサと。。
そんな似たもの同士な二人ですが同族嫌悪から傷の舐め合いに発展しそうで発展せず、そしてお互いの相手に出した答えがまったく別なところが私はこの漫画の一番気に入っている部分です。
あるみは追いかけることを止めて一旦相手と距離をおく。
『言いなりになる楽を選ぶなって教えてくれたのを分かったって証明しなきゃいけないんです』
これが諦観なのか変わろうとしているのかは読み取れませんでした。きっぱりと別れます。
鳥取は変わろうとして千代子ときちんと向きあおうと努力はしますが、いざ会ってみるとまたまた自己保身に走っちゃいます。走っちゃうのですがようやく面と向かって『好きです』と言えたことで成長したんじゃないかと。まあ、でも千代子の根気と優しさのおかげですよね。
エピローグ
鳥取『同情とかあわれみで僕といるならやめてください 他の男とつきあえばよかったと、後悔してるんでしょう』
千代子『百ぺんちがうて言うても、百一ぺんウソだって言うんやろご主人様?
まあ、ええ 言いたなくなるまで 一万べんでもつきあいますよ』
千代子の根気と優しさに乾杯ですね。
やーオタクというか引きこもっちゃうタイプの人間には直視するのが辛い漫画だった。。
なんというか黒ひげ危機一発の黒ひげになった気分。
少しずつナイフを突き刺されて、やがていつかは放り出されるしかないというか。旧エヴァの劇場版を見た後のような気分ですね。
『できれば幸せになりたいけど自分が傷つくのは嫌で、いざ幸せになったら今度はそれを失う恐怖に怯える』
痛いくらい分かります。これはどうしたらいいのやら。
……とりあえずピクミンに癒してもらおう(´Д⊂グスン
以上カワイイ絵柄に反してどギツイ展開がまっているギャップ萌え(?)なきづき あきら先生の2作品でした。
他の作品も読んでみたいけど、ちょっと怖い(;´∀`)

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