自由と不自由と
先月書いた通り鉄腕バーディーがEvolution(13)にて完結してしまいました。。
ラスト数話は話が一気に進んで打ち切りチックで悲しいですが、全体の感想も含めてうだうだ感想を書こうと思います。ネタバレ全開なのでまだ読んでない人は戻るをクリック!
バーディー世界の真相
別世界の中杉 小夜香がQ体(バイオチップ型量子コンピューター)を開発、
巨大なフレームに組み込む(奥の院:次元シミュレーター)
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西暦2040年:ピンホール実験の失敗で奥の院たちが地球(エル・カザン)ごとこちらの世界の10万年前に飛ぶ(2つの地球、この時点で別世界の人類は滅亡?)
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奥の院たちが遺伝子を素に人間を造る。(故に連邦では類人猿から進化の過程はなく、いきなり人類が発生している)
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滅んでしまった旧地球のように人類が誤った道を進まないようにペリダン禁書など、奥の院の秘密に迫るものを排除してきた。
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バーディーたちイクシオラはその管理のための道具
前巻の中杉 小夜香の日記に出てきたロバートは、別世界で同じ研究所に務めていた研究者で中杉と結婚しており、恐らくはピンホール関係の研究者でした。
機械の神(奥の院)により作成され管理支配される人類。その支配からの解放を目指す物語だったのです……もうレビが主人公でいいんじゃないかなヽ(´ー`)ノ
ゼノギアス好きだった人には堪らない設定なのですが、主人公であるバーディーの主張も描いて欲しかったですね。。直接奥の院を壊したのはバーディーだったわけですが、捨て駒にされてしまったネーチュラやカシューの仇討ちと道具扱いが気に入らなかったのは伝わってきたけど、もうひとつ主張が欲しかったなーと。
奥の院が倒れたことにより彼らが管理していた連邦世界を支える二本柱『Q体を利用した超並行演算』と『ピンホール物理学』が使えなくなってしまい、連邦は大混乱で地球と戦争している場合じゃないってことですが、これ本国もかなりパニック状態ですよね。私たちの世界に置き換えるなら、えーとインターネットが使えなくなった上に世界中のスパコンがダウン、飛行機や新幹線などの長距離移動手段がなくなった感じなのかな。
恐らく最終回は当初の予定通りなんだろうけど、奥の院たちがのこのこ地球に現れちゃうあたりが打ち切りを感じさせますね(泣)同盟・旧帝国・日本の政府連合や千明などの伏線は回収されずに終了。。Orz
エピローグのバーディーのセリフ『あ!目ぇつぶってようか?』
このセリフが彼女の性格をよく表してて好きですね。いやーエピローグが追加されて本当に良かった。
何はともあれ旧鉄腕バーディーを除いても10年間という長い間の連載おつかれさまでした。
ゆうき先生の『日常の中にちょっと異物が混ざっている』という世界観はやっぱりいいですね。
もはや作者がこれ以上鉄腕バーディーを書く機会はないと思いますが、個人的な妄想としてあれこれ膨らんじゃいますね。
この世界の中杉 小夜香はすべての真相を知った今、Q体の開発をすることはなくなったわけですが彼女の記憶を植え付けられた自動人形『オンディーヌ』がQ体を開発しちゃってやっぱり奥の院が誕生してしまうとか。
カペラ・ティティスの日常(虐殺日記になりそうですがw)とかも見てみたいなーと。
カペラは登場時から最終回まで一切ブレることなくカペラ自身のままでしたね。ある意味素晴らしい。
全体を通して好きなキャラクターはやっぱり氷川 省吾かなー。
あのあたりを描いたことによって物語が長編化した気もしますが好きだったなー。そう言えばリーさんどうなったんだろう(?_?;)
一時期、話が進まないのはつとむが居るからでつとむ要らないよなーって気もしましたが、非常識で開放的でお気楽なバーディーと常識人というかどこまでも普通なつとむはやっぱりいいコンビでしたね。つとむが自分の体に戻ったらどういう関係になるんだろうか。
以下駄文
ここからは鉄腕バーディーとまったく関係ない話。
レビが奥の院の支配を嫌い自由を求める。色んな物語で描かれる管理支配体制からの脱却についてみる度にアレコレ考えちゃうんですよね。
第1に『世界の分岐点を一部の人間たちだけで勝手に決めるな』
感想にも書きましたが連邦世界を支える二本柱『Q体を利用した超並行演算』と『ピンホール物理学』が使えなくなってしまったことにより確実に連邦の世界中がパニック状態です。。連邦がどういった生産体制を取っているか分からないけど、物資の輸送が困難になり物価の高騰、星間の連絡が取れなくなって警察や軍の治安維持能力の低下が考えられますよね。
市民にしてみたらある日突然それが起きるわけで、そんな混乱・不便を承知で支配体制からの脱却を願うだろうか?という疑問。理想としてはみんなに問いかけてどっちを望むか選択権を与えて欲しいと思うけど、正直意見がまとまるわけもなくというか、それ自体が戦争の引き金になりかねないのでこういうのはやっぱり少数の人たちが強引に決行するしかないのかなーとも思うんですよね。。
第2に『全世界で変革ではなく、棲み分けることはできないの?』
話がずれるようですがちょっとバーディー世界では分かりにくいので、『ガンダムSEED DESTINYのデスティニープラン』を例に。
wikiより抜粋、デスティニープランとは?
遺伝子を調査すれば職業適正でも何でもわかる、その適正を最優先させれば不満も生じない、そういう社会を作ろうという計画である。上から強制するのでは無くて、人々が自主的に賛同する形で実施するのが、デュランダルの真の狙いであり、彼はそうなるように世界を操ろうとしていた。
これ別に悪いプランじゃなかったと思うんですよね。
本編ではなぜかこれに賛同しない勢力を反乱分子として武力で排除しようとしちゃいましたけど、本来の『上から強制するのでは無くて、人々が自主的に賛同する形で実施』であれば賛同する人たちだけが参加して反対の人は今の生活を続けることが出来るのであれば、上手に棲み分けできると思うわけです。
第3に『みんな本当に自由を望んでいるの?』
生まれた頃から管理社会に慣らされている身としては、急に『明日からすべての会社なくして1からよーいドンにするわ、何をやるのも自由にしていいよ』と言われても困ってしまいます。。(リセット論とでもいうのでしょうか)
昔観たルパンのTVスペシャル『ワルサーP38』というアニメでルパンが『いつも自由でいるためにはやんなくちゃならない、しんっどい事だってあるんだよ』みたいなセリフがありましたが、現代社会では自由でいるためにはお金が必要なので、そのために労働や対人関係に気を配ったりと色々しないといけないんですよね。また、何をしてもいい = 何をするのも自分の責任でってことであり、それはしんどい。
でもその不自由があるから自由を実感できるわけで、無尽蔵にお金があって本当に何してもいいよってなったら自由で居ることが当たり前になってしまい、もうそれは自由ではないような気もしますというか私は飽きっぽいので確実に1ヶ月でその生活に飽きると思います。。
なので私がほしいのはすべてが自由な世界ではなく、広く見たら不自由だけどごく狭い範囲(主にプライベート時)の選択の自由。
ゲームを例にするならSkyrimとか世界観だけ用意するから、あとはクエストしようが生産しようがお尋ね者になろうが自由にしていいよってくらいがちょうどいいなーと最近つくづく思うんですよ。
これからも一時の自由のために、普段の不自由は喜んで受け入れていこうと思います、ハイヽ(´ー`)ノ
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